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オーストリアの遺伝子組み換え生物使用禁止を求める国内規定法草案の導入要請を、欧州委員会は拒否

2003年9月2日、ベルギー、ブリュッセル(ENS:環境ニュース・サービス): 欧州委員会は、上部オーストリア州(北オーストリア州)における遺伝子組み換え生物(GMO)の使用を3年間禁止する国内規定法を導入したいというオーストリアの要請を拒否することを決定した。

欧州委員会(欧州連合の執行機関)は本日9月2日、上部オーストラリア州は、遺伝子組み換え植物および動物には人の健康や環境の安全を脅かす危険性がある、ということを示す新たな科学的な根拠を提出していない、と結論づけた。

上部オーストリア州政府が作成したこの禁止草案は、遺伝子組み換え生物(GMO)との交雑から、動植物の遺伝資源[1]だけではなく有機農業を含む伝統農業の作物を保護するために提出されたものである。

上部オーストリア州当局の主張は、遺伝子組み換え技術を使った農業生産と従来の農法(慣行・有機農法)での農業生産との「共存」の問題[2]が完全に解決されていないという状況から、遺伝子組み換え種子の全面的禁止は正当化される、というものである。

欧州委員会環境担当委員のマルゴット・ヴァルストレムは次のように述べた。「私たちはオーストリアの禁止措置法案を綿密に検討したが、法的観点から言えば、認められないことが極めて明確な事例である。EU法(欧州連合の法令)[3]の適用除外が認められるために、EC条約(欧州共同体条約)が要求する条件[4]が満たされておらず、条約の番人たる欧州委員会としては、オーストリアの要請を拒否するしかない。」

またヴァルストレムは、「もちろん私は、オーストリア当局が環境と人の健康を保護するために抱いている懸念は十分理解している」と語り、「GM作物と非GM作物との共存をどう確保するかが今後取り組まなければならない重要な問題である」と認めた。

しかし、ヴァルストレムは、「上部オーストリア州当局の抱く懸念は、EU域内で多くの地域が共有する懸念でもあり、現在の法律の枠組で実行可能な対応策を見いだすことは可能である」と述べた。

3月13日、オーストリア政府は「遺伝子組み換え生物の使用を禁止する上部オーストリア州2002年法令に関する」国内規定法案を可決し、その導入を欧州委員会に要請した。

オーストリア当局は次のように語っている。「同法案に基づいて行われる措置が正当であることは、新たに提出された科学的証拠によって裏付けられる。それは、遺伝子組み換え生物に関連する上部オーストリア州に特有の潜在的リスク[5]を明確に示すものである。したがって上部オーストリア州は、環境と農業を保護するために、(許可のあるなしに関わらず)すべての遺伝子組み換え生物の全面的禁止が必要だと考える。

EU法の適用から免れるには、環境あるいは職場環境の保護に関する新しい科学的証拠を提示しなければならない、という条件を満たすことが必要である。オーストリア当局が同法案のために報告した情報資料がこの条件を満たしているかどうかに関して、欧州委員会は、欧州食品安全機関(EFSA)に科学的見解を求めた。

7月11日、同食品安全機関は、「報告にある科学資料は、『遺伝子組み換え生物の環境への放出許可の手続を定める指令』[6]を無効にするような新たな情報を提供していない。」という見解を発表した。

欧州食品安全機関の公式発表とは──オーストリアの報告は、遺伝子組み換え種子の栽培と増殖性材料の培養、繁殖を目的に遺伝子操作された動物の使用、及びそれらの環境への放出を全面に禁止する措置を正当化するに足る、人間の健康と環境へのリスクについての新たな科学的証拠を示していない──とするものである。

7月23日、欧州委員会は、遺伝子組み換え作物と慣行農業および有機農業との「共存」を確保するための勧告を発表した。同勧告は、遺伝子組み換え作物禁止(GMフリー)区域では、作物の種類や製品のタイプに応じ、近隣農場との緊密な協力関係のもとに農場レベル(生産農場の段階)で適用できる管理措置が優先されるべきだとしている。

同委員会は地域レベルの措置を取ることも勧告しているが、それには、その措置が一つ一つの農場に特異的に照準を合わせたものであり、なおかつ、その措置が近隣の農家と協調が取れるといったようなその地域の事情に適ったものであり[7]、さらに、それ以外の方法では非GM種子・作物の純度を十分な水準で達成することができない場合に、地域レベルの措置をとることができる、としている。

「共存」に関する条項が、遺伝子組み換え作物についての新たなEU法に含まれることになるであろう。そしてその条項では、遺伝子組み換え生物が意図的にではなく他の作物中に混入するのを避けるための適切な措置を、EU加盟国は地域の事情に応じて取ることができる、とされるであろう。


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http://www.ens-newswire.com/ens/sep2003/2003-09-02-02.asp

 

   
 
 


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