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| 予告編
まず最初に「秀明自然農法」の序論を全3部構成でお届けします。『秀明自然農法の壮大な目標とは?
多くの秀明のメンバーは各農場でどうやってこの目標を成し遂げるのでしょうか?』
この問いに対し次々にレポートしていきます。
室田禮治
黄島(パート1、2)
「黄島には、それ自身がもつ申し分のない神秘的な雰囲気があります・・・まるでラジオの選局ダイヤルを早回しするように、あちこち散策して楽しめる場所です・・・。」
室田禮治さんの黄島における長年の経験は、彼に、数年前より圃場活動の縮小をもたらしています。それでもなお、室田さんは、圃場がこれまで以上に活力がみなぎり、生産力があふれるように、そして、圃場の命あるものが最高の交響曲を奏でるように、巧みな指揮者として活躍しています。
樽海靖夫
福岡県
「圃場で何が起きているのかじっくり観察しなければなりません――それが一番の道具になります。」
樽海さんは、昔ながらの被覆作物を栽培して、化学肥料や農薬で損なわれてしまった土壌を癒す手助けをしてあげました。彼は粘り強い観察眼を持ち、様々な農機具を駆使して秀明自然農法を彼特有のスタイルで実践しています。
中安伸明
兵庫県
「レンコンの池に映る電柱は、あえて誇張しているわけではないのですが水面から聳えたっているといえます。その電柱の天辺は、彼方に見える青い山々の頂よりも高く見えるのです。」
産業地域で、しかも、農薬にまみれた慣行農業の圃場に挟まれながら、中安伸明さんは農業を営んでいます。彼は、秀明自然農法の真髄と哲学を伝えようと、刈り取った枝葉を敷いて、土壌を育んでいます。
吉野修
千葉県
「秀明自然農法の消費者は、農家を経済的足かせから解放し、なんとかして
心と技とが表裏一体になるようにと献身的に活動します。」
吉野修さんは、草取りを快く手伝ってくれた支援者たちのお陰で、農薬や化学肥料を一挙にやめた時に生じる困難や苦しみを乗り越えることができました。しかし、消費者には、彼の作物を購入することに理解が必要でした。
黒岩トキ
群馬県嬬恋村
「黒岩さんは、日々の祈りをささげるような姿で畑の土にひざまづき、66年の歳月を経た手で、道具を用いずに土を掘り返します。人参の首の周りの土をかき取り、小刻みに揺り動かしてから、するりと引き抜いて、畦際に積んだニンジンの小山にポンと投げ込み、次に進みます。」
嬬恋村――そこは2,500町もの面積にわたってキャベツが化学農法で栽培されているキャベツ特産地――その真っ只中にあってさえ黒岩トキさんは秀明自然農法に希望の光をともし続けます。そして、遺伝子組み換え大豆を使わない大豆食品を地元の学校に提供したいという黒岩さんの願いが、一緒に豆腐を作っている女性農業者たちの心を捉えます。
盛岡CSA
岩手県
「[盛岡CSAの代表者たち]は、CSAにおける消費者の意見の衝突の調整を行うにあたり、消費者をなだめるのではなく、それまで消費者を寄せ付けないでいた様々な障害に消費者自らが歩み寄ってもらうことに専念しました。」
消費者は圃場に行くようになってから、新しい料理法を覚え、高橋好徳さんのCSAから野菜を喜んで買うようになりました。今世紀の日本は経済的に一層厳しい時代に直面していますが、現在CSAの会員たちは幸運にも土地を借りて、自分たちに健康を与えてくれる食物を育てているのです。 |
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ロデール研究所と神慈秀明会(本部は日本の滋賀県にある)は、5年前に正式にパートナーシップを結び、今日まで再生農業のもつ役割を果たすべく共同で活動に取り組み、これを推進してきました。両団体は、再生農業が環境の修復と再生、人間の健康回復に寄与し、活気ある地域社会、より平和な世界を築くために多大な貢献を成し得るという信念を共有しています。
これまで両団体は、日米間でお互いの農家の農場、個人家庭、秀明の各拠点、美術館、事務所への訪問を幾度も重ね、数多くの友好関係を築いてきました。そうして食物や職業、宗教や自然のもつ役割を理解するときに文化の違いから生じる種々の相違を、お互いに大きな理解の心をもって受け入れることになりました。
日本人は西洋の非オーガニック農業について深い見識を持っています。そして環境問題に関心のある日本人ならば、米国市場で近年オーガニック運動が飛躍的に発展していることについても多少なりとも知っています。
しかしながら、日本の農業全般――特に日本においてオーガニック農業の活動がどのように展開されているのか――については西洋ではほとんど知られていません。まして、秀明自然農法のような精神性に根ざした農業運動については、西洋ではさらに認識度が低いのです。過去10年間、日本ではオーガニック農業が商業にあおられて発展し、秀明自然農法はそれと並行して発展してきました。現在、秀明自然農法の活動は、「秀明自然農法ネットワーク(SNN)」という名称の特定非営利活動法人によって展開されています。
このたびのホームページ版ニューファームの立ち上げに際しては、秀明自然農法ネットワークの皆様からは欠くことのできない多大なるご支援を頂いてきました。初年度においては、ニューファームは、世界中で活動が展開されている持続可能な農業やオーガニック農業を多方面から取り上げ、取材をしたり、記事を集めたりして、ホームページ上から発信してきました。それらの記事では投入資材を使った生産方法やその作物について詳説し、農家がなぜやり方を変えたのか、その理由を説明しています。また自然の循環と調和し、愛情を込めて栽培された地元産の食物を買おうという消費者の動機について探究しています。ニューファーム編集者とウェブ技術者は、オーガニック農産物の価格を追跡調査するための斬新な手段や、農家の人たちが自分たちの農場を無料で宣伝できるような新進の手法を開発しました。
ニューファーム編集部では、当初から秀明自然農法ネットワークについて盛り込もうと、何百にも上る秀明自然農法農家の体験談を聞いて理解し、記事を書くために幾通りもの方法を模索しました。しかし、どんなに努力しても、ホームページ上に掲載できるような満足のいく内容に仕上げることはどうしてもできませんでした。どんなに文化を超えて、広く分かち合い、配慮をもって心を通わせても、東洋に起こっている現実を西洋の言葉で表現するのに相応しい方法を得ることはできなかったのです。
私たちは悟りました――私たちには、北米オーガニック農業の著述にたけた
誰かが必要なのだ――そして、その人に実際に日本の現場、つまり秀明自然農法農家の圃場で充分な時間を注いでもらうしかないのだ――と。
幸運なことに、私たちはカリフォルニアのジャーナリスト兼美術カメラマン、リサ・M.ハミルトンを見つけました。彼女の記事と写真は、「ナショナル・ジオグラフィック・トラベラー(世界各地を巡る旅)」、「ガストロノミカ(美食家)」、「Zマガジン」や「ヒューマニスト(人道主義者)」といったアメリカ国内の出版物やウェブサイトに掲載されており、読者を魅了してきました。彼女は、芸術、娯楽、環境問題の各分野にわたって刊行物、ウェブ上いずれにおいても、編集、執筆、制作を手がけています。また、彼女は傑出した農業ジャーナリストで、カリフォルニア認定オーガニック農家(CCOF)のニュースレターに連載中のカリフォルニア特産物についての彼女の記事は有名で、読者の好評を博しています。
2003年春、ハミルトン記者は2週間以上を日本で過ごし、秀明コミュニティの数多くの農家と支援者たちの言葉に注意深く耳を傾けました。そこで彼女が発見したものは単純に語れるものではありません。むしろ、日本の歴史、文化、そして精神風土から紡ぎ出され、複雑に織りなされた世界観であると言えます。それが今まさに、永遠なる目的のためにリアルタイムで綴られようとしているのです。
このような素晴らしい日本人の活躍に、耳を傾け、目を凝らし、思いを巡らせるハミルトン記者の旅に、是非ともご参加下ください。今後7つの話が掲載されますが、1つ1つの話が、全体像を知る上で欠かせない一部だと考えて読んでみてください。全ての記事があなたのお手元に届くまでは、それぞれの話を気楽に読み流してください。きっとみなさんのご期待にお応えできる内容だと思いますので・・・・
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