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ニューファームは東洋と西洋に現れた2人の思想家の探求を受け継ぐ

何故ロデール研究所と秀明自然農法ネットワークが、力を合わせてニューファームウェブサイトを立ち上げたのでしょうか? この連携から得られるものは何でしょうか?


アイオワで東洋と西洋が出会った時. . .

岡田茂吉氏とJ.I.ロデール氏が最初に文通を交わしてから何十年も経って、
1996年7月に岡田茂吉氏の哲学を実践する団体神慈秀明会の自然農法の責任者であった東郷智氏がペンシルバニア州カッツタウンにあるロデール研究所実験農場を訪問しました。当時責任者であった東郷智氏は、情熱的な自然農法擁護者であり、多くの自然農法農家に努力を続けるよう励ましていました。

東郷智氏とロデール研究所所長ジョン・ハバラン氏との邂逅によって、指導者と農業専門家のお互いへの訪問が次々と行われました。神慈秀明会の人材育成センターとしての役割を持つ黄島で、1997年に自然農法に関する会議が行われ、ロデールの代表団が参加しました。神慈秀明会の現会長小山弘子氏のロデール訪問に続いて、1998年に正式なパートナーシップ協定への署名が行われました。(現在では、神慈秀明会の自然農法活動はNPO法人秀明自然農法ネットワークが秀明自然農法として受け継いています。)

現在秀明自然農法ネットワークの理事長である出口公一氏は、その当時の訪問をよく覚えています。最近の手紙の中でこう語っています。

「最も強烈な印象を覚えたのは、再生農業に取り組む農家の一人ディック・トンプソン氏でした。『健康な人々を作るには、健康な土が必要です。健康な土を作るには、私たちの魂が健康でなければなりません。再生農業に取り組むには、皆さん自身の魂を最初に変える必要があるのです。』と、彼は話しました。」

同行したロデール職員の報告によると、当初アイオワの農家は秀明の訪問客の質問に驚きました。なぜなら、どのような農法かではなく、何故再生可能な農業をするのかに、大きな関心を示したからです。しかし、この持続可能な農業のパイオニアたちは、経済性をはるかに越えた農法についての深い信念を共有できる人たちには、率直に話しをすることができるのだということにすぐに気づきました。

出口氏の述懐は、トンプソン氏が農場の土、家族、人生へ与える慣行農法の影響に対して不満を覚え、別の生き方を神に求めたことを語るものです。神の視点から農業を理解させるために農業の指導をしなければならなかったとトンプソン氏は言っています。これは、彼の猛烈な競争心が、他人と協調する魂に変わったばかりでなく、土地を再生し、辛抱強く他人に教えることに自分の人生を捧げていることを意味します。

出口氏は賛辞の締め括りに、1998年の視察時に聞いたトンプソン氏の体験談を語っています。トンプソン氏が訪問者に話したのは、1995年アイオワ実践農家(PFI)会長当時の演説でした。PFI創立10周年記念祭の席上で行われたトンプソン氏の言葉を出口氏は回想しています。

その時大広間は、深い感動に満ちていました。私の口を通して人々の心を打ったのは神以外の何者でもないと、その光景から私は信じ得ました。その大広間に、プロテスタント、カトリック、それ以外の人も居ましたが、宗教の違いを超えた精神性を分かち合えました。再生農業の中核にあるのは、精神性です。

 

化学農業時代の幕開けの1950年代、2人の男が化学物質を使用しない農業へのビジョンを共有していました。 

かたや米国、かたや日本に住んでいた2人は、お互い面識はありませんでした。しかし、大地を尊び、農家や消費者の健康を築く農法の普及に各々努力し、1951年には、両者の文通が始まっています。

それから50年後−環境にやさしく、社会的責任の果たせる農法の研究が進む現在、これらのグループの間では、以前とは違う農法、より良い農法への共同研究を尊重し、活発な活動を展開しています。

日本の岡田茂吉氏やペンシルバニアのJ.I.ロデール氏が生きながらえて、世界中に高まる現在のオーガニック農業旋風を見たとしても、きっと驚きはしなかったでしょう。両者が提唱した農業におけるバランス、調和、人間の健康という三つの価値は、持続可能な農業の将来を確実なものにするためには重要であると現在では考えられているのです。

J.I.ロデール氏のオーガニック農業への関心は、2代ロバート氏と3代アンソニー氏に引き継がれ、オーガニックガーデニング(1942年創刊)、ニューファーム(1978-1995)という2つの雑誌の刊行に到り、何百万人もの人々にロデールのメッセージを伝えました。この関心から直接発展したのがロデール研究所で、北米と多くの諸外国においてロデールの思想が実践に取り入れられました。

岡田茂吉氏が自然農法を最初に提唱したのは
1935年でした。岡田茂吉氏は、幼少からの苦難から立ち上がり実業家として成功を収めましたが、次第に哲学者、詩人、自然主義者、優れた芸術コレクター、指導者としての才能を発揮していきます。そして1942年には、無肥料で野菜や米を作っています。

岡田氏にとっての自然農法とは、食物生産の方法であると同時に人格向上のための実践でもありました。その農法は彼の核となる動機、つまり世界人類の健康と幸福を増進したいという動機から生まれたのです。

秀明自然農法ネットワークは世界規模でその岡田茂吉氏の教えを実行しており、秀明自然農法の実施農家の数は日本および北米で増えつつあります。

現在彼らは、ロデール研究所と提携を結びニューファームを支援しています。2002年、2つのグループの共同作業からこのウェブサイトは考案され、「上手な農業は地球と人類にやさしい」という思想の普及に貢献しています。

彼らはニューファームの日本語版制作に密に関わり、秀明自然農法の農家の動き、再生農業の別の側面、食、農業生態の発展についての記事を提供していきます。ニューファームスタッフは彼らと協力し、正真正銘日本のものであり、全く非西洋的な秀明自然農法特有のアプローチを、西洋の英語圏の読者に紹介します。

ニューファーム編集長クリス・ヒル氏は次のように語っています。「同じ米国州内で、オーガニックと慣行農家の団体が相互を理解することは大変難しいことです。」「文化と言語の分水嶺に広大にまたがる異なるアプローチと価値観を理解するのは、本当に難しい課題になるでしょう。しかしながら、私たちはこの作業に熱心に当たっていきます。何故なら、秀明自然農法の農家が言わなければと思っている事は、私たち自身の力を強力に補うものであり、それを私たちは直接見て来たからです。」

お互い得るものが大きい、東洋と西洋

日本は食料需要を満たす為、殆どの先進諸国と同様、第二次世界大戦以降に化学集約農業技術を正式に取り入れました。農薬濫用(面積当たりでは米国の7倍)は、上水道と土の汚染を招き、農村に住む日本人は皮膚疾患、癌、その他の病気にかかる率が高くなっています。

西洋人には医者に行くことしか考えられないような体の病気から劇的に回復したという話を、自然農法とその食事を取り入れている秀明自然農法ネットワークの会員からよく聞きます。化学物質の使用が癌の原因になったり、環境汚染が病気を引き起こすことを会員たちは知っていて、そのことが汚染のない食物の生産方法を探求する大きな原動力になっています。

米国の殆どの小規模農家がそうであるように、秀明自然農法の農家は大部分が兼業農家です。彼らは近年、経済的に成立することを目指し奮闘を重ねてきています。土を愛し、消費者に良い暮らしをもたらし、また一方では家族に必要なものを十分に提供する。彼らはそれらによって得られる深い満足をいつまでも感じ続けたいと願っているのです。

2003年の経済不況の中、何十年もの間続いてきた繁栄が終わり、その後をどのように進むかという新しい問題に日本は直面しています。秀明自然農法ネットワークでは会員が、農家と消費者間の直接的な関係を構築し始めています。生活を物質面でも支えるために、自然農法に対する精神的、個人的な決意をどのように確立することができるかを彼らは考えているのです。

北米では、創造力に富み革新的な再生農家の大半が、文化的に先ず求められる収益についての目標をほぼ達成しつつあります。しかし、彼らは、精神性に対する基礎教育を伴う生活を完成させる必要性に気づいています。それは経済性の追求や、生態系管理の改善に優先します。直接的な取引関係への関心を増している農家と消費者は、9月11日の際の自分たちを超えた希望、つまり株式市場以後に出現する至福の世界を求めています。

東洋と西洋の対話に参加しよう

秀明自然農法の農家とニューファームスタッフとの対話、すなわち東洋と西洋の対話への参加を歓迎します。話題としては、Soil and Soul(土と魂)、Tofu and Tomato(豆腐とトマト)、Soy beans and Spirit(大豆と精神)、Profit and Peace(収益と平和)です。話題を提供し、問いかけ、全読者が違った観点からものを見ることができるよう敢えて挑戦します。

岡田茂吉氏とJ.I.ロデール氏が文通を始めた52年後に、その対話はニューファームに引き継がれました。得るものはかつてないほど大きいのです。皆さん全員を招待致します。

 
 


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