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キャベツ類をコナガから守る (前頁より続き)
オーガニック農家がコナガの害を防ぐには?
コナガは防除が難しい害虫ですが、以下の戦略を組み合わせて用いれば、うち負かすことができます。
生物的防除と天敵
まず、圃場にすでに棲息している天敵を保護します。歩行性甲虫、ハチ、クモそして鳥は、殆どの農業害虫を防除する天敵のなかのほんの一部です。日本中部の農林水産省野菜茶業試験場(現:独立行政法人農業技術研究機構野菜・茶業研究所)では、数種の歩行性甲虫(オサムシ、ゴミムシ類=オサムシ科)を、コナガ幼虫の主要天敵に識別しています。一般に、歩行性甲虫類はコナガの幼虫をよく捕食します。コナガは一生の大部分を植物上で生活するので、作物に登って捕食する種類は特に効果的です。幾つかの種類は実際に作物に登り、幼虫、成虫共に捕食します。その他の種も含め、歩行性甲虫は多くの作物害虫の重要な天敵ですが、中には雑草や作物の種を食べるものもいます。歩行性甲虫の多くは、濃色で、光沢があり、動きが素早く、種の識別が困難です。歩行性甲虫等、圃場にいる天敵は、殺虫剤をやめ、敷き草で作物の根本の土壌表面に涼しい多湿な環境を作ることで賦活されます。
次に、「捕食寄生者」と呼ばれる小さなハチと連携する方法です。捕食寄生者はコナガの卵、幼虫、繭に卵を産み付けます。アジア各地の科学者たちが、地域の環境で最適の捕食寄生者を発見し、放つ試験を行っています。ハチは種により生育適温が異なるためです。台湾の例では、セイヨウコナガチビアメバチ(学名ディアデグマ・セミクラウスム、ヒメバチ科)という、世界的にコナガの重要な天敵である小さな蜂が、低地で放すと定着しますが、高地では定着しませんでした。地元の農業専門家と相談しながら、地域に合った天敵について調べるとよいでしょう。規制に従えば、圃場に適した捕食寄生者を探し、放つことができます。
水に頼む
可能ならば、乾期にアブラナ科作物を植えないようにすれば、雨がコナガ防除を助けます。同様に、作物の上から潅水すると、幼虫を葉から洗い流してくれます。夕暮れ時に潅水すれば、蛾の交尾を防げます。しかし、作物に病気が出て、悪化させる恐れがあるなら、この作戦は避けるべきです。
作期の一本化
コナガが古い作物から新しい作物へ移りにくくしなくてはなりません。または、蛾が新しい苗に飛んでいくのを防ぐよう、遅取りの作物は新しい苗から見て風下方向に植えます。
清潔な作物と圃場から始め、清潔に保つ
温室から病害虫を一掃します。移植前に、キャベツの苗に卵や幼虫がついていないか確認します。さらに、未収穫の作物は全て圃場外へ移動するか、鋤き込むかします。畑の残留物は粉砕して、高温の堆肥(最低摂氏60度)の山に混ぜ込んでもよいでしょう。おとり作物に使う以外は、圃場にアブラナ科雑草は生やさないようにします。
おとり作物
キャベツの畝間にコナガが好むコラードやカラシといったアブラナ科植物の列を作る農家もあります。インドの例では、キャベツ15〜20列ごとにカラシの列を挟みます。成虫はおとり作物のカラシの方に好んで産卵するので、キャベツに付く幼虫は少なくなります。充分な数の天敵がいれば、おとり作物についたコナガはどの段階にあっても防除でき、大事なキャベツの代わりになってくれます。コナガがついたおとり作物を見つけたら、成虫が羽化、産卵する前に、引き抜くか倒すか、たたきつぶせばよいのです。
障壁作物
多種類の作物を混ぜて育てることは、障壁作物の実践になります。コナガは、キャベツがカモフラージュされていると、辿り着くのが難しくなります。おとり作物と違うのは、障壁作物は目的の害虫を誘引しないことです。トマトやトウモロコシのような背の高い作物を、アブラナ科作物同士を隔てる物理的障壁として育ててみましょう。障壁作物として、セージ(学名サルヴィア・オフィシナリス)、タイム(学名ティムス・ヴルガリス)、シロツメクサ(トリフォリウム・レペンス)が、芽キャベツのコナガ被害を軽減するのに役立つことを科学者たちが明らかにしています。
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